虹色りきゅーる
寄生虫。
寄生される人や動物を宿主といい、
寄生虫は宿主なしでは生きていけない。
そして、寄生虫は宿主に害を及ぼす場合がある。
馬鹿馬鹿しい。
人は自立したもの同士が生きてこそ発展するのだ。
人間に依存してる人間は愚か。
人間なんて変わりゆくもの。
明日にはコロっとこちらのことを忘れて生きている。
そんな気分屋に左右される人生なんてつまらなくないか?
つまらないよ。つまらない。
つまらないのに求めてしまう。
変わらぬ宿主を求めて。……。
寄生虫は私1人で十分なの!
ねぇ、どこにいるんですか。
命絶えぬ強い宿主を探している。
誰かの宿主なんかになってはいませんよね……?
「 見つけた 」
ねぇ、ずっと居てくれますか。
私はついていきます。
批判なんてしないよ。
私が決めた存在なのだから。
あなたが居てくれるだけで私の生きる養分になる。
あなたの作る世界を見たいな。
どんな世界を見ているの?
どんな色で塗られているの?どんな?どんな!
“6×10の小さな世界から始まった!”
私、あなたみたいになりたいんです!
あなたの好きなもの、全部好きになる!
歌も本も、あらゆる作品も全て!
“六畳一間の開けた世界!”
あなたの得意なこと、全部全部練習する!
あなたの知り合いと全部友達になりたい。
あなたの世界を私の目で見てみたいんだ!
“光をみた。これが私の知らなかった世界!”
楽しい!幸せ。
不安?
うまくいかない?
いや。頑張ったらあなたと肩を並べることができますよね?
あなたと同じ景色をみれますよね?
あなたと生涯共にできますよね?
アナタトアナタトアナタトアナタトアナタトアナタト!
……!
どうしたの?
ねぇ、なんで笑わなくなったの?
これからの可能性を考えているところだったじゃん。
もっといろんなところに。
もっと遠いところへ行く予定だったのに。
まだ見ぬ世界を見たかった
ねぇ、笑ってください。
笑ってくれないと、私、不安になっちゃう……。
私じゃだめですか?
私、あなたのこと幸せにできない?
あなたが幸せになれる方法がわかんないよ。私……。私。
あ、世界が縮んでいく。
元の6×10の小さな世界。
あれ、もう、見えなくなった聞こえなくなった!
わかんない、わかんないわかんない。
ねぇ、なんで衰弱していくの。
私が寄生したから?
ねぇ、なんで。ねぇ!なんでなの!
ずっと一緒にいてよ!
あのとき、ただ独り。
真っ暗で小さな世界の中で全てを恨んで生きていた。
真っ暗な世界。
光が灯る。
憎しみで終わらなかったのはあなたのおかげ。
寄生される人や動物を宿主といい、
寄生虫は宿主なしでは生きていけない。